症状と治療

TREATMENT

手・肘・指の痛み

パソコン作業やスマートフォン操作、家事など、現代人は手や指を頻繁に使うため、手・肘・指の痛みを訴える方が増えています。この部位は骨や筋肉、腱、靱帯、神経が複雑に絡みあっているため、さまざまな疾患が発生することがあります。早期の診断と治療が重要です。痛みを感じたらお早めにご相談ください。
また、手・肘・指のけがは日常生活に付き物です。単なる突き指や打撲に思えるけがでも、専門的治療を必要とする事があります。当院では手外科専門医、骨折・外傷専門医による正確な診断と、迅速かつ的確な治療を実践しています。

腰・股関節の痛み

腰痛の原因が特定できるのはわずか約15%といわれ、専門家でも原因の特定が難しいです。代表的なものは圧迫骨折や椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄などです。その他、細菌感染やがん、臓器や血管の病気も原因となることがあります。
ほとんどは原因が特定できず、生活習慣やストレス、不安、不眠などが影響することがあります。また、神経の障害が原因で痛みが生じることもあります。
腰痛の症状は多様で、原因に応じて痛み方も異なります。医師に相談する際は、痛みの詳細や他の痛みの部位を伝えることが重要です。

膝・脚の痛み

朝起きたときや長時間同じ姿勢でいた後、歩いた後などに、ひざやひじ、指の関節が動きにくかったり、痛みを感じたことはありませんか?
関節痛(関節炎)は様々な原因で起こり、代表的なものに変形性関節症と関節リウマチがあります。
軽度では立ち上がるときや動き始めに痛みがあり、骨と骨の隙間が狭くなります。中等度ではひざを完全に曲げられず、階段の上り下りで痛みが生じ、ひざに水がたまることがあります。重度では関節の変形が進み、痛みが強くなり、歩行困難になることがあります。

首・肩の痛み

肩関節は人間の関節の中で最も大きく動きます。この動きを支えるために、肩には3つの関節、腱板、滑液包、靱帯、筋肉が複雑に組み合わさっています。中高年になるとこれらの部分の強度や柔軟性が低下し、血行も悪くなります。その結果、肩関節周辺に損傷や炎症が生じ、痛みを生じます。
多くの肩の痛みは四十肩・五十肩といった肩関節の拘縮(かたくなること)によるもので、リハビリや薬物療法により軽快します。しかし中には自然と腱板損傷をきたしていることがあります。損傷した腱板は自然修復されることが無いため、早期の診断と治療が重要です。痛みを感じたらお早めにご相談ください。

骨粗鬆症こつそしょうしょう

骨粗鬆症は、骨がもろくなり骨折しやすくなる病気です。
初期は自覚症状がありませんが、進行すると骨折し、寝たきりになることもあります。診断には骨密度測定、脊椎X線、血液検査が必要です。
脊椎X線は“いつの間にか骨折”を確認し、血液検査では血清カルシウム値や骨代謝マーカーを測定します。治療薬の副作用も検査します。

骨粗鬆症について詳しく知る

骨粗鬆症の診断方法

骨粗鬆症の診断には、骨密度測定、脊椎X線像、血液検査が必要です。
脊椎X線は、自然に潰れる“いつの間にか骨折”の有無を確認します。血液検査では、血清カルシウム値や骨代謝マーカーを測定し、骨の吸収や形成の状態、副作用の有無を判定します。骨密度は若年成人平均値を100%として評価されます。
骨粗鬆症と診断されるのは、特定の基準に該当する場合です。

  • 1脊椎骨折(圧迫骨折)または大腿骨近位部骨折(股関節)をした場合
  • 2橈骨遠位端骨折(手首)などの骨折歴がある場合は、若年成人平均値の80%未満
  • 3骨折をしたことがない場合は、若年成人平均値の70%以下
骨密度に関して、年齢相応だから大丈夫ということはありません。
また、「何歳の骨」という表現も誤解を与えるため用いられていません。

骨粗鬆症に特に注意が必要な人

  • 閉経後の女性
  • 高齢者(男性も)
  • やせ型
  • 身長が2cm以上低下した
  • 身内に骨粗鬆症がいる
  • 運動不足
  • カルシウム摂取不足
  • アルコール・コーヒーの多飲
  • 喫煙者
  • 日光照射不足
  • ステロイドの使用
  • 胃切除歴・糖尿病などを合併

骨粗鬆症の治療薬

骨粗鬆症と診断された場合、カルシウムとビタミンDの摂取、運動、日光浴だけでは骨折リスクが十分に低下しないため、薬剤が必要です。
治療薬は、骨折リスクを低下させることが証明され、厚生省に承認されています。
薬剤には、毎日、週1回、月1回、6か月に1回、年1回の投与間隔があり、経口剤や注射剤があります。どの薬剤を選ぶかは、骨折歴や骨密度などを基に主治医と相談して決定します。

骨粗鬆症の症状

骨粗鬆症は静かに進行し、弱い外力で骨折します。骨折は脊椎、手首、股関節、肩関節に多く発生し、特に脊椎は“いつのまにか骨折”が多いです。身長が低下すると心臓や肺が圧迫され、逆流性食道炎の原因にもなります。これにより食欲低下や閉じこもりがちになり、生活の質が低下します。
さらに、運動器症候群(ロコモティブシンドローム、通称ロコモ)により介護が必要になることもあります。

骨粗鬆症の予防

骨粗鬆症の予防の三本柱は、①カルシウムとビタミンDの摂取、②運動、③適度な日光浴です。
検査の結果、骨粗鬆症ではなかった人は予防に心がけましょう。また、骨粗鬆症と診断され、薬物療法が必要な場合もカルシウムとビタミンDの摂取、運動、適度な日光浴は薬の効果を高めるためにも必要なことです。

スポーツでの痛み

スポーツ中のけがは、大きく分けて2種類あります。
一つは、急に起こる「スポーツ外傷」で骨折や捻挫などが代表的です。もう一つは、同じ動作を繰り返すことで徐々に痛みが出る「スポーツ障害」でテニス肘やランナーズニーなどが挙げられます。どちらのけがも、放置すると症状が悪化し、競技の復帰が難しくなる場合があります。痛みを感じたらお早めにご相談ください。
特に野球肘に対して当院では、経験豊富な医師、理学療法士による専門的診断、治療を行っています。理学療法を中心とした保存治療がメインですが、時には手術を要することがあります。外側型野球肘である上腕骨小頭離断性骨軟骨炎に対しては鏡視下手術やモザイクプラスティ、内側側副靱帯損傷に対してはトミー・ジョン手術も行っています。