骨粗鬆症は、骨がもろくなって、骨折をしやすくなる病気です。
最初は自覚症状がありませんが、ひどくなると骨折を起こし、寝たきりの原因となる場合もあります。
次の項目に当てはまる場合は、特に骨粗鬆症に注意が必要です。
骨粗鬆症の診断には骨密度測定が必要です。それと同時に、脊椎X線像、血液検査も行います。
脊椎X線を撮影する目的は、背骨が自然と潰れてくる“いつの間にか骨折”が生じていないかを判定するためです。血液検査は、血清カルシウム値や骨代謝マーカーを測定します。骨代謝マーカーとは、骨の吸収や形成の状態を判定するものです。また、治療薬を使用している場合、副作用が生じていないかを検査します。
骨密度は、若い人の平均値(若年成人平均値)を100%として、減少した割合を評価します。
骨粗鬆症と診断されるのは、次の三つのいずれかに該当する場合です。
骨密度に関して、年齢相応だから大丈夫ということはありません。また、「何歳の骨」という表現も誤解を与えるため用いられていません。
骨粗鬆症は深く静かに進行していきます。進行すると、弱い外力で骨折が生じます。骨折は、脊椎(背骨)、手首、股関節、肩関節などに多く発生します。また、背骨の骨折では、転んだりしなくても徐々に潰れてくるタイプのいわゆる“いつのまにか骨折”が多くあります。身長が低下してきた場合は、要注意です。身長が低下すると、心臓や肺が圧迫されてしまいます。また、食道や胃にも障害が生じて、逆流性食道炎(胸やけ、げっぷ)の原因にもなります。
このような心臓、肺、胃腸障害は、食欲の低下による栄養状態の悪化、外出を控えて閉じこもりがちになるなど、生活の質(QOL)の低下をもたらします。さらに、運動器症候群(ロコモティブシンドローム、通称ロコモ)によって介護を受ける原因ともなります。
骨粗鬆症の予防の三本柱は、カルシウムとビタミンDの摂取、運動、適度な日光浴です。検査の結果、骨粗鬆症ではなかった人は予防に心がけましょう。また、骨粗鬆症と診断され、薬物療法が必要な場合もカルシウムとビタミンDの摂取、運動、適度な日光浴は薬の効果を高めるためにも必要なことです。
カルシウムとビタミンDの摂取
運動
日光浴